おいでやす。
ぼんちゃん(@bonchan0433)です。
今回は、キャリアのプロと呼ぶべき、北野唯我さんが書かれた、転職の思考法について解説していきます。
本書は、これからのキャリアをどう形作っていくのか?自分の市場価値を高めるためにはどうしたらいいか?について語る、転職のバイブルとも呼べる一冊となっています。
経歴として、広告代理店である博報堂に入社後、ワンキャリアという採用コンサルティングの会社で取締役を務める、まさに理想的なキャリアを歩んでいる方です。
本書は、読んでみて転職する前に読んでおきたかった、と後悔するほど学びあふれる一冊になっています。
この本は、こんな方におススメです。
・今のまま会社にいて何とかなるのか不安
・転職先が決まらない
・今の仕事がなくなったりしないか不安
本書から学ぶ3つの事実に注目しつつ、仕事やキャリアについて解説していきます。
それでは参りましょう!
マーケットバリューという事実
まず一つ目の事実ですが、マーケットバリューを知るべし、という点です。
マーケットバリュー(英訳: market value)は直訳すると『市場価値』という意味になります。
市場価値とは、今の会社の価値ではなく、世の中から見たあなたの価値という意味です。
日本に住むほとんどの社会人は、正社員、パート等の雇用形態を問わず、どこかしらの企業に所属しています。株式会社○○の誰それと申します。的な。
その会社の肩書を取っ払った時に、あなたの世の中の価値が市場価値という事になります。
そんな事言われたら何も出来ないよ・・・
自分の市場価値なんかないんじゃないの?
そう悲観する事はありません。
マーケットバリューは3つの軸から成り立っています。
1.技術資産・・・あなたが持っている専門的なスキルや経験
2.人的資産・・・人脈を指し、会社を変えたとしても仕事をくれるかどうか
3.業界の生産性・・・その業界にいる人がどれ位の価値を生み出しているか
この3つです。
その中でも、業界の生産性がもたらす、マーケットバリューに対する影響力はすさまじく大きいです。
例えば、金融業やコンサルタント業のように給料の高い業界もあれば、ウエディング、医療のように低い業界もありますよね。
つまり、場所選びを間違えてしまうと、そこからの逆転劇は難しいのです。
転職を含めて今いる場所を変えて成功していく為には、以下の二択になります。
1.業界の生産性がすでに高い産業
2.これから伸びていく産業
絶対にダメな選択肢は生産性が低くて、かつ成長が見込めない産業で働く事なのです。
仕事の寿命という事実
次の事実は、仕事の寿命を知るという事です。
こちらは2013年と2015年の会社の数と倒産件数を表した表になります。
会社の数 倒産件数 2013年 5,779,072 8,684 2015年 5,578,975 10,536 参考:総務省統計局|産業別民営事業所数と従業者数
これだけの会社があり、年間に倒産していくのです。
その割には、会社の数は大きく減っているわけではありません。これはなぜか?
倒産する理由はいろいろあるかと思いますが、結論として仕事のライフサイクルが回ったからだと言えます。
仕事のライフサイクル
ちょっと待って、仕事のライフサイクルって何?
こちらの画像をご覧ください。
引用:転職の思考法より
こちらが仕事のライフサイクルになります。
本書では『すべての仕事には賞味期限がある』と明言しています。
①ニッチ・・・立ち上げたばかりで最低限の人がいる状態
②スター・・・仕事量に対して人が足りず、仕組みが構築しきれていない状態
③ルーティーンワーク・・・仕組みが構築出来ていて、人が過剰になっている状態
④消滅・・・機械に置き換える事で効率化が進み、人が作業する必要のない状態
全ての仕事は、この4つに沿って生まれては消えていきます。
それが出来てサービスが充実し、低価格で提供できる会社が生き残り、それが出来ずに社会の満足を得られない会社が倒産していくのです。
事実、これだけの会社が倒産しているにも関わらず、私たちの生活に何ら支障がない事とトータルの会社の数が大きく減っていないという事を考えれば納得できるデータですね。
あなたがいなくても組織は回るという事実を知る
仕事がなくなるかもしれないのは分かったけど
僕が辞めたら組織が回らなくなりそうだし・・・
こう考える気持ち、すごく分かります。
僕も最初はそう考えていましたから。ですが、それは大きな間違いだったと気付かされました。
それはなぜか?
それが3つ目、『あなたがいなくても組織は回る』という事実です。
手段の目的化が招く不幸
そもそも会社がある目的とは何でしょう?
『自社の製品、サービスを社会に提供する事で従業員、社会に貢献していく事』です。
その為の手段が、経費削減であったり、時間短縮であったりするわけです。
ところが、時間が経つと本来の目的を見失ってしまいがちです。
すると、経費削減や時間短縮が目的になっていくのです。そうなった場合、どうなるか?
無茶な見積もりで作業を強いられる、経費や時間ありきで作り方が決まり、品質が伴わない。
このような問題が起こり、結果的に会社がうまく機能しなくなるのです。
あなたがもし退職した場合、その業務は誰かに引き継がれ、円滑に回す為に部署内での業務分担が変更になる事もあるでしょう。
あなたがいなくなったから、会社が倒産するようなことは、よほどの重役でない限り起こり得ませんのでご安心を。
会社=人の新陳代謝である
部下に仕事を引き継ぐことに罪悪感や申し訳なさを感じる方もいるでしょう。
ですが、それは本当にあなただけのせいなのでしょうか?
その問題は、意外と根深いかもしれませんよ。
あなたの周りにこんな人はいませんか?
・自分の仕事に追われ、手いっぱいになっている先輩、上司
・仕事をあまり教えてくれない先輩、上司
・ルール違反スレスレの仕事をして成果を挙げている人
・過去の実績、現在の肩書きをいい事に、口だけ番町の先輩、上司
上の項目に当てはまる先輩や上司が少なからずいらっしゃる会社、部署は人が育ちにくい傾向にあります。
それには2つの理由があります。
1.部下は上司を見て育つ
2.そもそも部下を育てる仕組みがない
それぞれ解説していきます。
部下は上司を見て育つ
あなたは仕事や部活など初めて物事に取り組むとき、誰に教えてもらいますか?
そう、先輩や先生、上司に当たる方達ですね。
その仕事を教える側の人が新人が最初に目撃する『社会人が実際に仕事をする様子』なのです。
なるほど、こういう風にやればいいんだ!
と気付いている反面、このぐらいの熱量ややる気で仕事をしているんだと見抜かれています。
結果として、部内、組織内でのやる気がそのまま新人に伝染していくのです。
一度冷めたやる気を再び燃え上がらせるのはとても難しい。
仕事を教えるのと同時に、普段の先輩や上司の立ち振る舞いが試されているのだ、と気を引き締めるべきです。
そもそも部下を育てる仕組みがない
僕は転職を含め、2社に在籍した経験があります。
それぞれの良い点、改善点を振り返ったときに共通して言えるのが
『部下を育てる仕組み』がないという事です。
仕組み、というと大げさかもしれませんが、採用した新人が会社の戦力になっていくまでの過程をどこまでイメージしているのか?という事です。
というと、以下の点が考えられていないと人材育成は成立しません。
・どんな能力を持った人間が、どの部署に不足しているか?
・その部署で行っている業務が一通り出来るようになるためには、どのようなフォローが必要か?
・業務内容を分かりやすく説明、習得、確認、評価できる状態か?
もちろん、本人の能力ややる気も関係してきますので、ひとくくりには出来ません。
会社を運営していれば、時として人がある程度入ったり辞めたりしていく事もあるでしょう。
にもかかわらず、これらが柱として立っていないと、常に部下だけが辛い思いをし続ける事になります。
少子高齢化が進んでいる今、会社は選ぶ側ではなく、選ばれる側になるかもしれませんね。
ぼんちゃん’s Point
僕が本書からおススメしたいポイントは『会社員=当たり前ではない』という事です。
会社員という働き方は、『既にあるお金を稼ぐ仕組みに加わる』という事を意味しています。
正社員であろうが、パート、アルバイトであろうが。雇用形態など関係ありません。
社長が立ち上げた仕組みに人手がいるから契約している。それ以上でも以下でもありません。
(安定や責任、という意味では多少差が出る部分もありますが)
つまり、会社員に求められるのは『組織が利益を上げて、成長していく事に貢献する』事です。
特に新人の場合、『名のある会社に入社する事=ゴール』のように考えてしまいがちです。
就職するというのは、人生においてようやくスタート地点に立ったぐらいです。
これから50余年、社会に出て働き続けなければならないのですから。
記事の中で、会社の倒産件数に触れました。
これからライフスタイルが多様化していく中で、あなたが入った会社はどのくらい存続するでしょう。会社の寿命は刻一刻と縮まっているのかもしれません。
自分のキャリア、仕事に求めるものは早い段階で整理しておくことを強くおススメします。
まとめ
いかがでしょうか?
一つの会社に勤め続ける事が難しくなりつつある今、こうした着眼点、思考法は早い段階で知っておくべきだと考えます。
まとめとしては、
・マーケットバリューという『技術資産』『人的資産』『業界の生産性』をという事実を知る
・仕事には寿命がある、という事実を知る
・あなたがいなくても組織は回る、という事実を知る
・会社員=当たり前という常識を捨てるべし
以上となります。
今回はここまで。
また別な記事でお会いしましょう。
ではではっ!
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