そんな風に言ったっけか・・・?
皆さんは日常でこんな場面、ありませんか?
・理解したつもりが勘違い
・説明したつもりが説明不足
・言葉の定義がズレていた
・こちらの思いが伝わらない
・会話の歯車がかみ合わない
結果、余計な確認や作業が増えてしまい、時間も労力も使ってしまう・・・。
うまく組織内でのやりとりが噛み合わなくて、疲れ切ってしまう事はないでしょうか?
コミュニケーションというのは仕事に限らず、公私ともにややこしく、疲れてしまう場面が多々あるでしょう。
そんな方に向けて、この記事では
①コミュニケーションミスが起きてしまう原因
②コミュニケーションミスに対する対策
③僕が実践している事
の3点について解説していきます。
それではいきましょうっ!
コミュニケーションミスが起こる原因
そもそも、どうしてコミュニケーションミスが起こるのでしょうか?
それは『イメージしているシチュエーションが違うから』です。
このイメージのギャップこそがコミュニケーションミスを引き起こす元凶なのです。
これだけだと分かりにくいので、以下の会話をご覧ください。
左の男性:こないだ行ったゲームセンター、楽しかったな!
右の男性:そうだな!
さて、この会話ですが、お互いがイメージしている『ゲームセンター』は同じ場所でしょうか?
二人の耳に入ってきたのは『ゲームセンター』と『楽しい』という2つの単語。
スポーツも出来る大型のゲームセンターか、それとも、メダルゲームが多いゲームセンターなのか。それぞれが同じゲームセンターをイメージしているとは限りません。
この事から分かるのは『聞き手は理解し(ているつもり)になる』という事です。
その理由として、『自分の記憶を頼りに相手の言葉の省略されている部分を補完、解釈』しているからです。
しかもこれ、無意識に行われているんですよね。
ここからは、無意識に思い出される記憶、いわゆる潜在記憶について解説していきます。
潜在記憶とは?
潜在記憶とは、『勝手に思い出され、思い出していること自体が意識に上らない記憶』を指します。
要約すると、『無意識に思い出されている記憶』という事です。
コミュニケーションミスは、『潜在記憶のズレ』から起きているといっても過言ではありません。
先程のゲームセンターの事例をもう一度取り上げます。
左の男性:こないだ行ったゲームセンター、楽しかったな!
右の男性:そうだな!
二人で行ったゲームセンターの数が多くて、印象に残ったことがお互いに一緒であれば
『潜在記憶のズレ』というのは起こりにくくなります。
ところが、行ったゲームセンターの数が少なくて、印象に残ったことがバラバラであれば
『潜在記憶のズレ』に繋がり、結果としてコミュニケーションミスへと繋がっていくのです。
潜在記憶の恐るべき効果
潜在記憶の効果はそれだけではありません。
なんと、人に対する好き嫌いをも引き起こしてしまうのです。
例えば、こんな事を考える瞬間、ありませんか?
俺、○○課長苦手なんだよなぁ…
それは、あなたが過去に課長にされた記憶から、苦手という反応を引き起こしているのです。
・課長のしぐさ、言動
・家でのしつけ、教育環境
・嫌なことをされた相手 等々・・・
小さい頃から甘やかされて育った人からすれば、口うるさい上司は「嫌だ」と思うかもしれません。
でもそれは、「小さい頃の教育で出来上がった価値観があるから、上司が苦手という反応が引き起こされている」という事になるのです。
コミュニケーションミスをなくす対策とは?
ここまでの話を整理すると、コミュニケーションミスが起こる原因は
『イメージしているシチュエーションが違う事』と『潜在記憶のズレ』の2点。
一見、埋められなさそうに見えるかもしれません。
対策、しっかり立てられるミスなんですよ。
それが冒頭で話した結論でもある『意識の矢印を変える』という事です。
具体的な解説をしていきます。
意識の矢印を向けるとは?
意識の矢印を向けるとは、『コミュニケーション中、相手に意識を向ける』という事です。
ある意味では、コミュニケーションの本質だと思います。
具体的な対策としては、『分かったつもりにならない』です。
これだけでは対策としての説明が不十分なので、例を一つ挙げましょう。
左の男性:こないだ行ったゲームセンター、楽しかったな!
右の男性:そうだな!
冒頭で例に出したゲームセンターに行った会話ですね。
ここでは『思い出されるシチュエーションが違うからミスになる』という説明をしましたね。
では、右の男性の回答に入る前に戻ってみましょうか。
そうだ、と同意する前に今自分の脳内にある『ゲームセンター』が先行している、という事を認識しましょう。それが、意識の矢印が自分に向いている状態です。
相手に矢印を向ける、とは『相手がイメージしているシチュエーション』とのギャップを埋め合わせる、という事です。
つまり、こういう事です。
え、ごめん。どこのゲームセンターだっけ?
一見、知らないふりをしているように見えるでしょう。
ですが、実際は『知らない』のです。相手がどのようなシチュエーションをイメージしているのかを、あなたは知らないのです。
だからといって、何でもかんでも闇雲に聞けばいいというものではありません。
お互いに使える時間は限られていますからね。
聞くなら短くシンプルに
先程は闇雲に聞くべきじゃない、と言いましたが、『質問は短くシンプルに』というのが大前提です。
というのも、シンプルな質問には2つのメリットがあります。
1.相手の思考を整理する
2.意識の方向を整理する
順番に解説していきましょう。
相手の思考を整理する
相手に質問するプロといえば、インタビュアーやカウンセラーが挙げられます。
分かりやすいのは、スポーツのヒーローインタビューです。
長い質問を延々としているイメージがあまりないですよね。
質問がシンプルであればある程、答えていくにつれて相手の思考が整理されていきます。
以下のインタビューの例をご覧ください。
<いいインタビュー例>
インタビュアー:最近の若者についてどうお考えですか?
男性:いやぁ、最近の若いのは頼りないですねぇ。
インタビュアー:頼りないというと?
男性:こないだね、○○という事があったんですよ。
インタビュアー:その時はどのように感じられました?
男性:もう少し、はきはきして欲しいですよ。
(ん?でも俺の若い時は・・・あまり自己主張できていなかったかもな・・・)
と、こんな具合です。テレビのインタビューやYouTubeの対談形式の動画だと
シンプルな質問に対して回答者が自身の考えを掘り下げて提示するのをよく見かけます。
逆にダメな例はこんな感じです。
<ダメなインタビュー例>
インタビュアー:最近の若者は自己主張が少なく、快活な印象がないように感じます。
その点についてどのようにお考えですか?
男性:え?うーん・・・そうですね・・・・。
(俺の周りにいる若いのはそんなことないんだけどな・・・)
いかがでしょうか?もはやインタビューではなく、討論会としての会話ですよね。
これでは相手の意見や気持ちに意識が向いておらず、インタビューとしては大失敗なわけです。
意識の方向を整理する
また、2つの例を比較したときに話し方に違いがあるように感じたかと思います。
いい例:『階段を下りるように、1段ずつ相手の意見を掘り下げていく』話し方
ダメな例:『自分の主観を相手に伝えて、イェスかノーかの二択を迫る』話し方
コミュニケーションとして、どちらが適切かは言うまでもありません。
自分と相手のイメージしているシチュエーションをすり合わせていく必要があるのに、ダメな例では意識が相手に向かっていません。
これではミスの元凶になりかねません。
『質問する』という事は相手の意見を引き出す、自分の分からない部分をすり合わせるためにやる事です。
そういった意識を養うことが出来るので、『分かったふりにならない』ようになっていくのです。
人の話は最後まで聞く
何を当たり前のことを、とお思いでしょう。
ですがこれ、先輩が後輩から相談を受けたときによくあるパターンなんですよ。
先輩、すみません・・・
○○という案件なのですが・・・
という相談に対して、先輩の脳内ではどんなことが起きているでしょう?
2つの反応に分かれていく事と思います。
A:あぁ、その顧客は△△という傾向があるから、こう対処しないとな・・・
B:担当者がどういう意図で指示してるんだ?状況を掘り下げて確認しないとな・・・
このシチュエーションの場合、ベストな対応はどちらでしょうか?
そう、Bですね。
Aの場合、質問は確かに聞いていますが、意識は自分に向かっています。
これは、○○という顧客に対して関連する知識、記憶があるため、無意識に結びついてしまう結果として起こる現象です。
無意識に起きている現象なので、止めたり、抑えつけることが出来ないんです。
重要なのは、『そういう現象が起こる』という事を理解しておく事。
加えて『人の話は最後まで聞きましょう』という至極当たり前の教訓が出てきます。
話し手の言いたいことを全て聞く前に結論を出すとロクなことにならないよ、という
先人の教訓ですね。分かります。
ぼんちゃん’s Point
僕が意識している事としては、『結論から伝える』という事です。
例えば、アルバイトをしている自分が知らない事を先輩に聞く場合。
A:商品陳列の○○が△△で、どうしたらいいか分からないんですけど・・・
B:○○売り場の商品陳列についてお伺いしたいことがあるのですが
Aの場合、自分が分からない事を伝えようと必死になっている様子ですね。
悪くはないのですが、聞き手次第では違う意味に捉えられてしまいます。
結果、コミュニケーションミスを起こす可能性がありますよね。
Bの場合は何が分からないのかを、簡潔に相手に伝えている印象を受けます。
聞き手としては、以下の情報を確認、判断すればよい事になります。
・どの商品の事か?
・自分が教えるべき内容か?
・今すぐ教えるべき状況か?
相手が今、どういう状況か、優先して処理する案件はないのか、等を自分は知らないので
教えてもらう、にしても様々な回答の仕方があります。
教えてもらう以上、相手の都合が良くてこそ。
まさに結論としてお伝えしてきた『意識の矢印が相手に向いている』状態ですね。
まとめ
いかがでしょうか?
最終的には至極当たり前な結論に落ち着きましたが、出来ているようで意外と出来ない事なんですよね。
コミュニケーションミスが起こる背景には、同じシチュエーションを共有する機会が減っている事、加えてSNSの普及で身近な人との共有が図りにくくなってしまった側面もあります。
だからこそ、『私はあなたの事を知らない』という視点に立ってコミュニケーションを取るべきなのです。
もちろん、『あなたも私の事を知らない』という逆も然り。
仕事のように成果を出し、顧客に迷惑をかけられないならなおさらですね。
是非、相手の話を最後まで聞いてあげて、『何を求めているのか?』『自分に何が出来るのか?』に向き合っていただきたいです。
今回の記事はここまで。
別な記事でお会いしましょう。
ではではっ!
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