社会人デビューした時にメモを取りなさい、と口すっぱく言われていた記憶がありませんか?
そして仕事を覚えていくにつれて、メモを取る習慣がなくなっている事に気付いた僕がいました。
どうも、ぼんちゃん(@bonchan0433)です。
今回はSHOWROOMの社長である前田裕二さんが書かれた『メモの魔力』について解説します。
何をいまさら・・・メモ?
メモなら取ってるよ!
という方が大半かと思います。
ですが、それはメモが持つ力を十分に発揮できていないかもしれませんよ?
本書では、メモを使いこなす事で以下のような使い方が可能になるのです。
・人生のコンパスのような役割を担う
本書の著者である前田裕二さんはこんなキャリアの持ち主です。
・2年目にはニューヨーク支社へ異動
・DeNaに転職後、ライブストリーミングサービス SHOWROOMの社長を務める
・石原さとみと付き合っていたことがある(重要)
こんなエリート街道を歩んできた前田さんが実践してきたメモの形を書籍化したものが本書になります。
本書を読み進める事で、メモが持つ本当の力を実感して頂きたい。
さらには、あなた自身の思考を形にする第一歩。
具体的には、学校や仕事の事、プライベート、新しいアイデアを最大限活かす方法が本書にあります。アイデアがどうこう、という事には興味がないんだ、という方にも自己分析ツールとしても利用可能。
メモを極める事で、石原さとみさんとお付き合いできるかもしれません。
それでは、参りましょう。
メモには2種類ある
メモなら取っている、という方は『メモには2種類ある』と聞くと驚くかもしれません。
メモ?
分からない事や教えてもらった事を
手帳とかに書いておくモノじゃないの?
という感想が頭をよぎるでしょう。
メモには『記録のメモ』と『知的生産のメモ』の2種類に分類されます。
記録のメモ
記録のメモは、事実や情報をアウトプットするために書くためのメモになります。
僕たちが『メモ』と聞いて真っ先に思い浮かぶイメージそのまま。
ところが、本書では『記録のメモの為に労力を割くべきではない』と断言しています。
それは、端的に言ってしまえば、『機械でも出来てしまうから』です。
例えば、仕事の手順やルール。
本来であれば、覚えるために必要な教材や資料が存在し、不明点を直接書いた方がよほど効率的です。
そういった仕組みが組織にない為、『記録のメモ』を取る事に必死になっているのです。
僕たち人間にしか出来ないのは『知的生産』であり、そちらに労力を割くべき。そう言い切っています。
知的生産のメモ
知的生産のメモは『アイデアのきっかけになる思考の過程を整理する』という役割を持っています。
そもそも知的生産とは、『頭を使ってアイデアを出す』事を意味します。
アイデアは日頃出てきても無意識に通り過ぎてしまう事がほとんど。それを逃さずに言語化する事で具体的な形に昇華されていきます。
知的生産の過程を本書では『知的生産のメモ』と呼び、人間にしか出来ない事であり、仕事の真髄であるである、と断言しています。
鍛えられる5つのスキル
僕たちがやってきたメモのほとんどが『記録のメモ』に分類されます。
知的生産、というとなかなか思いつかないし、そもそも必要性があるように感じない方が多いのではないでしょうか?
この『知的生産のメモ』を取る事で鍛えられるスキルが5つあります。
アイデアを生み出せるようになる
メモを取る事で、頭に記憶として残しておく情報を減らしておくことが出来ます。
見れば反復できるような形になっているので、忘れませんし、実行していく事で『メモを見ずとも行動できる』ようになっていきます。
そうしてできた頭の空白に、自分にとってプラスになる情報を生み出す為に使える。
『これって、こうやったらもっと効率よくできるんじゃないか?』といった具合です。
意外とアイデアを考えなければならない、と考え込んでいるときは、なかなか着想に至らない。
ふとした瞬間に、目にしたものや体験したものから気づきを得て、結びつく瞬間がアイデアになるのです。
メモを取る事で、経験と気づきが結びつく為の情報感度が飛躍的に上がります。
情報を素通りしなくなる
話聞いてる?と言われたり、もう一度詳しく説明してもらえますか?と、質問。
それだけ、情報が素通りされているという事実を意味しています。
ですが、メモを取る事で、自分にとって有用な情報をキャッチするためのアンテナが強化されます。普段が電波弱いのに、メモを取るとアンテナバリバリ!のような具合。
いつでも知的生産に必要な情報を漏らさずにキャッチできるようになります。
最初の方は聞いたこと全てを書き取る勢いでやる。徐々に受け取れる情報が30、40が70、80になり徐々に増えていきます。
相手のより深い話を聞き出せる
5つのスキルのうち、僕はこれが最も強力だと感じています。
相手の話を聞いて、どちらの人に、より踏み込んだ話をしたいと感じますか?
A.「へー、そうなんだ」とうなずいて話を聞く
B.「ちょ、ちょっと待って」とかばんからメモ帳を取り出して聞く
どちらかというとBの方が真剣に話を聞いてくれる印象を受け、より踏み込んだ話をしたくなりますよね。話を聞く真剣さが違って見えるのが印象に大きく影響していると言えます。
感情には、返報性という心理効果が働くため、特別な敬意をあなたから話し手に示す事で、相手からあなたに対しても特別な敬意を持ってくれるでしょう。
返報性って何?という方はこちらの記事で解説していますのでご覧ください。
話の骨組みが分かるようになる
メモを取る事で、話の内容をきれいにまとめられるようになります。
それを本書では構造化能力、と呼んでいますが、全体像を見ていて、どの話題をどんな目的で、どこまで話しているのか?という事を瞬時に把握する力を指します。
例えば『売り上げ』というテーマで話をしていたとします。
その中には、『単価』や『客数』、『ロス』や『給料』などの小テーマがいくつかあります。
どのテーマについて話しているのか?またはどのテーマについて充実した話をしたいのか、話の全体構造を把握していないと、議論がはかどらない、という事態になりかねません。
「何をどこに書けばいいか」を考えなければならない為、構造化能力が鍛えられ、結果的に話の内容をきれいにまとめることが出来るようになるのです。
あいまいな感覚や概念を言葉に出来るようになる
メモを取る=言葉にして表現する、という事を意味します。
当たり前ですが、メモを取るためには、ノートやスマホに『言葉にして』アウトプットしなければなりません。メモ癖がつく事で『言葉にしなければならない』という状況から逃れられなくなります。すごい、とかヤバい、といった簡単な言葉で片付けいていたことや、前述した素通りしていた感動は無数に存在しているはず。
例えば高校に通っていた時。テストの点数が赤点ギリギリ。友達に点数を聞いても同じような点数。
お前の点数ヤバくね?
いやいや、そっちだってヤバいだろ!
この『ヤバい』という言葉にはどのような意味が含まれた会話なのでしょうか?
およそ考えられる意味は以下の通りです。
・成績の話
・点数が同じぐらいであった、というシチュエーションの話
・進級できるかどうか不安な心境に対して
このようにヤバい、という一言からいろんな意味合いに派生。
これがメモ癖になると、『思考→言語→メモ』を繰り返すので、言語化能力を鍛える最強ツールになるわけです。
前田式メモの取り方
メモの重要性や鍛えられるスキルがいかに強力な武器になるのか、ご理解頂けたかと思います。
では実際にメモを取る時に、どう書き進めていけばいいのか?を解説します。
抑えるべきポイントとしては、
・見開きで大きく使う
・情報の種類に応じて色分けする
・記号等を使って書く量を減らす
・左から右に『ファクト・抽象化・転用』の順に書き進める
以上の4点です。
中でも特徴的なのが『ファクト・抽象化・転用』の3ステップ。
ファクト
ファクトの欄に記入するのは『どこかで見聞きした、客観的な事実』。
ミーティングであれば、そこで交わされた会話や何か自分の琴線に触れたものを指します。
例えば、『僕の上司は人に教えるのが苦手』というファクトがあったとします。
抽象化
抽象化は、『気づきを応用可能なレベルにぼんやりさせる』という事です。
恐らく、本書の中で一番理解と実践が難しい箇所だと僕は感じました。
先程の例だと、『自分が仕事をしている感覚や優先順位を言語化するのが苦手なのでは?』
と抽象化する事が出来ます。
これだけでは説明として不十分なので、後述で詳しく解説します。
転用
転用は、『ここをこうしてみよう』と実際の行動につながる要素を見つける事です。
この場合の転用は『自分の感覚を言語化するのが難しいなら、図解して初心者でも落とし込める内容に変えてしまおう』となります。
抽象化の3つの『型』
ファクトや転用はイメージしやすく、実践するのが難しくないかと思います。
問題は抽象化、言葉が既にもうはっきりとした説明になっていません。
そこで抽象化を実践するときに参考になる3つの『型』を紹介します。
抽象化の呼吸 壱の型 What
1つ目の型が『What』です。
この抽象化の型でできるのは、以下の2点です。
・琴線に触れた現象や心象、琴線に触れた出来事の名前は?
・その現象はどんな定義で構成されている?
のように、目の前の現象や考え方を抽象化して別の名前を付けて呼び直すのがWhatの型でできる事になります。
この型を使いこなす事で、『言語化能力』が鍛えられます。
抽象化の呼吸 弐の型 How
2つ目が『How』の型になります。
これは、『目の前の現象にはどんな特徴があるか』という事を深堀して考える時に使います。
本書で紹介されている内容ですと、ポケモンを例に挙げています。
ポケモンは、『それぞれのモンスターに属性があり、属性に応じた攻撃で効果が増大する』というファクトから『相手に応じて攻撃方法を変える』という抽象化が出来るようになります。
この型を使いこなす事で、話がまとめやすくなり、アイデアを生み出しやすくなる力が強化されます。
抽象化の呼吸 参の型 Why
最後に紹介するのが『Why』の型。
これが抽象化における必殺奥義になります。つまり、マスター出来れば無類の強さを誇る!
理由を抽出して、別なアイデアに転用できないか?という着眼点から抽象化していきます。
使い方は『ヒット軸』と『インサイト軸』の2つになります。
ヒット軸:なぜ当たった、刺さったのか?
ヒット軸は、『このコンテンツはなぜ当たったのか?』や『この出来事はなぜ自分に刺さったのか?』という着眼点から抽象化を進めていきます。
例えば、大ヒットを記録した『鬼滅の刃』という作品。これを1分で説明しなさい、と言われたらあなたはどんな言葉で説明しますか?
限られた時間、文字数で相手に伝わる言葉、表現を使うというのはとても難しい。
だからこそ、身に付けることが出来れば最強のツールになり得るのです。
インサイト軸:本当は何が言いたいのか?
次にインサイト軸。これは『本当は何が言いたいのか?何が目的なのか?』という点に注目して抽象化を進めていきます。
例えば、『YouTubeのメンバーシップ機能』はどんな目的で追加されたのか?と考えてみます。
ファンがクリエイターをより深く好きになるための機能、というのがファクトになりますが、抽象化するとどうでしょうか。
チャンネル、という所属感やコミュニティを作りたいという目的があるように思えます。また、メンバーシップは基本有料ですので、加入してクリエイターを応援したいという欲求が生まれる事が挙げられます。
ぼんちゃん’s Point
本書における僕なりのポイントは『名づけのプロに俺はなる!』。
某海賊マンガみたいなセリフですが、これにはちゃんとした理由があります。
先程のメモの画像をもう一度ご覧いただきます。
一番左端に『標語』というワードが見えます。
これはファクト、抽象化、転用という一連の流れについて『標語・タイトル』をつけるという欄。
標語を付ける目的として『名前がついていると、記憶が紐づいて思い出しやすい』というメリットがあるのですが、慣れるまでは結構難しいもの。
コツとしては、抽象化の弐の型、Howを意識してみましょう。
理由としては、どちらもエッセンスが似ているからで、『起きた事実(ファクト)を抽象化のどの型に当てはめるか?』を聞いた瞬間に識別する事に慣れていく必要があります。
要するに、話の結論をしっかり押さえる。それを別の言い方で意外性のあるものにすると?という事になるのです。
これは本書を読んだらすぐに会得できるものではありませんので、実践あるのみ。
これが高いレベルで出来るようになると、人脈や成果がついてくること間違いありません。
まとめ
いかがでしょうか?
石原さとみさんと付き合えるかどうかは別として、あなたの日々の生活が今より一層充実する事が間違いありません。
本書の内容をまとめると
・メモには『記録のメモ』と『知的生産のメモ』の2種類がある
・メモを極めると、いいことづくめ
・ポイントはA4ノートを見開きで
・書くときはファクト、抽象化、転用の3ステップ
・抽象化を習得するにはは3つの型を使い込む
慣れるまでは結構大変だと思います。
そもそも、メモを取る習慣がないのですから。
メモを取る習慣を定着させるために、最初のうちはファクト→転用に飛躍して書いてしまうのもあり。
ですが、この書き方だと、『あなたの思考の過程』が見えなくなるので、最終的に3ステップで書けるようになると、より高いレベルでやりたかった事が実現できるようになります。
それでは今回はここまで。
メモ習慣を実践して、より充実度の高い日常を手に入れましょう!
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